スギ花粉症・ダニアレルギーに対する舌下免疫療法
舌下免疫療法 開始受付について
2023年度の「スギに対する舌下免疫療法」は治療開始受付を終了いたしました。
ダニに対する舌下免疫療法は、時期に関係なくいつでも始められます。
2024年スギ花粉飛散予測
飛散開始時期
2024年のスギ花粉飛散開始時期は2月上旬と、例年並みか例年より早くなる見込みです。
スギ花粉は、わずかな量が飛散開始時期より前に飛び始めるため、花粉症の方は、1月のうちから対策を始めるとよいでしょう。
飛散量
今年の飛散量は、大量飛散だった前シーズン(2023年)と比べるとやや少ない見通しですが、例年(過去10年の平均)に比べると、やや多い飛散量と予測されています。
花粉症は花粉飛散量がある一定のレベルまで上昇すると発症します。万全な対策を行って花粉シーズンをお過ごしください。
舌下免疫療法は、アレルゲン免疫療法(減感作療法)の一種で、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ体内に吸収させることで、アレルギー反応を弱めていく治療法です。
これまでは注射による治療が主でしたが、「通院が週に何回も必要」「痛い注射をしなくてはならない」など、患者さんにとって大きな負担になっていました。それを、舌の下からお薬を体内に吸収させることで「自宅で」「痛みなく」治療できるようにしたのが、舌下免疫療法です。
つらい症状を抑えられるだけでなく、根本的にアレルギーを改善させる治療法として期待が高まります。
しかし一方で、
- ①治療期間が長い(充分な効果が出るまで3~5年必要とされています)
- ②スギ舌下免疫療法は花粉飛散期に投与開始できない
- ③即効性を期待して行うものではない
- ④全ての患者に効果が期待できる訳ではない
といった特徴があります。
また、副作用として投与を始めた最初の頃に口内炎ができるなど、
口腔内に関連した症状が出ることがあります。
ごくまれに重篤な症状を発現する可能性があります。
*日本では現在、スギ・ダニアレルゲンエキスのみ認可されております
対象となる方
- 5歳以上のスギ花粉症・ダニアレルギー患者
- 用法・用量を守り、毎日服用可能な方
- 少なくとも1ヶ月に1度、受診が可能な方
対象とならない方
- 病因アレルゲンがスギ花粉、又はダニでない方
- アレルゲンエキスの投与によりショック(急激な血圧低下により意識障害などを生じること)を起こしたことのある方
- 重症の気管支喘息患者
- 妊娠または授乳中の方、2~3年以内に妊娠希望の方
- β阻害薬(高血圧や不整脈に対して使用)使用中の患者
- 悪性腫瘍又は免疫系の全身性疾患(膠原病や免疫不全症など)のある患者
治療の流れ
- 問診・検査
- 治療の対象となりうるかどうか、問診で判断させていただきます。
治療のためにスギ花粉症、又はダニアレルギーと診断する事が必須ですので、血液検査で確認いたします。
最近2~3年以内行ったアレルギー検査の結果をお持ちいただいても構いません。 - 治療説明
- 治療スケジュール・服用方法・起こりうる副作用を説明いたします。その上で治療を受ける意思を確認します。
- 投与開始
- 初回投与後30分間は、副作用が生じないかクリニック内で様子を見ます。
そのため、初回投与時に限り、受付終了1時間前以後の来院の場合、初回投与を後日に延期させて頂く場合があります。
大きな問題がなければ、翌日から毎日自宅で服用して頂きます。 - 容量増量(投与1~2週目)
- 来院時に用法・用量が守られているかどうか、患者さんの体調や投与部位の状態、副作用発現の有無などを確認し、このまま治療を続けても良いかどうかを判断します。
- 治療継続(投与3週目以降)
- 前回と同じように、患者さんの体調や投与部位の状態、副作用発現の有無を確認します。
スギ花粉飛散期(2~4月)はスギ花粉アレルゲンに対する過敏性が高まっており、副作用が発現しやすいと考えられるため、メガネ・マスクの着用などのアレルゲンの回避は必要です。
必要に応じて、アレルギー治療薬にて、症状軽減を図ります。
一般的な採血による血液検査は、3-4歳くらい(採血処置を我慢できる年齢)から可能です。
採血が難しい方は、8項目の簡易検査ですが、指先採血で検査ができます。
スギ舌下免疫療法中の方は、スギ花粉飛散期である・なしに関わらず、治療を継続することが可能です。
よくあるご質問
- 治療効果はどれくらいありますか?
- 全体的に7~8割の方に何らかの効果があり、完治するのは1割程度と言われています。
効果が出始めるには少なくとも2~3ヶ月必要ですが、充分な効果が出るまで最低2年必要です。
治療終了後の効果持続期間は、文献的に4~5年の治療で8年間の効果持続があるという報告があります。 - 副作用はありますか?
- 主な副作用は口内炎・口腔内の腫れ・のどのかゆみ・耳のかゆみ・頭痛などです。
口腔内の副作用は1~2割生じますが、ほとんどが治療を要さない軽症です。治療開始1ヶ月以内に治まる事が多いです。
まれですが、アナフィラキシーと呼ばれる重症の副作用(蕁麻疹・呼吸困難・腹痛・嘔吐など)の可能性もゼロではありません。 - どのくらい費用がかかりますか?
- 3割負担の方で、クリニックでの治療費と院外薬局での薬代と合わせて、スギ舌下免疫療法は1ヶ月2000円程度、ダニ舌下免疫療法は1ヶ月3500円程度です。
その他必要に応じて検査料やアレルギー治療薬の処方料などが加わります。 - スギ・ダニアレルギーが両方ある場合は?
- 鼻症状が強い時期(スギ:春、ダニ:年中)・環境(スギ:外出時、ダニ:室内)から治療対象を選択します。
注射による皮下免疫療法ではスギ・ダニ同時治療が行われていることから、当院ではスギ・ダニ同時治療も行っていく方針です。
しかし、副作用の観点より、どちらか一方の治療で少なくとも開始1ヶ月間問題ないのを確認してから、もう一方の治療を開始します。
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